下水道環境における硫化水素濃度と鋳鉄の腐食速度の関係

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タイトル別名
  • Relationship between concentration of hydrogen sulfide and corrosion rate of cast iron in sewer environment
  • ゲスイドウ カンキョウ ニ オケル リュウカ スイソ ノウド ト チュウテツ ノ フショク ソクド ノ カンケイ

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抄録

<p> 人孔蓋の素材は鋳鉄であり,その腐食の程度は硫化水素濃度の高い人孔内で激しくなることが経験的に知られている.本研究では鋳鉄の腐食速度に及ぼす硫化水素濃度の影響を調べ,両者の関係式を導いた.12ヵ所の人孔内の硫化水素濃度を年間に4回測定して,年間平均硫化水素濃度を求めた.また人孔内に鋳鉄の試験片を1年間暴露して質量減少量から腐食速度を求めた.さらに人孔内の結露水のpHを測定した.年間平均硫化水素濃度が高い人孔の結露水のpHは酸性を呈した.これは硫化水素から硫酸が生成するためと考えられる.年間平均硫化水素濃度が高くなるほど鋳鉄の腐食速度も高くなり,両者の対数は直線関係になることを明らかにした.さらに硫化水素が発生せず硫酸が生成しない環境でも,人孔内の湿度が高い場合にACM型腐食センサの腐食電流が増大することから,腐食が起こり得ることを確認した.</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 56 (676), 76-84, 2019-02-01

    公益社団法人 日本下水道協会

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