高齢者の大豆気道異物による閉塞性肺炎の1例

  • 金本 幸司
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 坂本 百萌
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 望月 芙美
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 嶋田 貴文
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 藤原 啓司
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 小原 一記
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 藤田 純一
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 栗島 浩一
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 飯島 弘晃
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
  • 石川 博一
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Obstructive Pneumonia Caused by Soybean Aspiration in an Elderly Patient

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説明

<p>背景.高齢者の気道異物は様々な理由で診断が遅れる傾向があり,注意を要する.症例.肺炎の既往のない81歳女性.約2か月前から少量の黄色痰を伴う咳嗽が持続し近医受診.喘鳴を聴取し,喘息として治療されるも改善せず,胸部単純写真で右肺下葉に浸潤影を認めたため当科紹介.胸部造影CTで右B8+B9+B10を閉塞する脂肪濃度影と右肺下葉末梢の浸潤影を認めた.異物や腫瘤による閉塞性肺炎を疑い気管支鏡検査を施行.右B8+B9+B10を閉塞する異物と気管支粘膜の肉芽形成を認めた.検査後に咳嗽とともに異物は喀出され,異物の肉眼所見,病理組織像,また9か月前に大豆を食べたエピソードを想起したことから,大豆による気管支異物,閉塞性肺炎と診断した.肺炎に対してアンピシリン・スルバクタム9 g/日,また炎症性肉芽に対してプレドニゾロン20 mg/日を7日間使用し咳嗽は消失,気管支粘膜の肉芽および閉塞性肺炎も改善した.結論.高齢者の慢性咳嗽では,誤嚥の自覚がなく胸部単純写真で異物を認めなくても,気道異物を鑑別に挙げる必要がある.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (1), 30-34, 2019-01-25

    日本呼吸器内視鏡学会

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