-
- 三浦 昌朋
- 秋田大学附属病院 薬剤部
書誌事項
- タイトル別名
-
- Personalized medicine for oral molecular-targeted anticancer drugs
- ブンシ ヒョウテキ コウガンザイ ノ コベツカ チリョウホウ ノ カクリツ
この論文をさがす
説明
<p>分子標的抗がん剤の血中濃度は効果と相関するとされており,血中濃度の値を指標に初回の標準投与量を個々の患者に適した投与量へと調節する治療薬物濃度モニタリング(TDM)が臨床において導入されている.日本では現在イマチニブと腎細胞がん治療薬スニチニブに対して,TDM実施によって診療報酬が得られている.TDMを実施することで,これまでに寛解率の向上,寛解達成に至るまでの時間の短縮,生存期間の延長,逸脱率の低下,医薬品費の抑制など多くのメリットが確認されている.しかしTDMの実施には,最小有効濃度(MEC)と最小中毒濃度(MTC)のいずれかあるいは両者を明確にしておく必要がある.MTC以上では,抗がん剤による重篤な副作用を発現するリスクが高く,MEC以下では十分な抗腫瘍効果を期待できない.それゆえMECとMTCの間に抗がん剤の血中濃度を収めるように,投与量を調節しながら治療を進める.今,個々の分子標的抗がん剤において,これらMECとMTCというマーカーを見出す臨床研究が求められている.抗がん剤による治療開始前に行われる精密化に加え,治療開始後の精密化(個別化)を図り,個々の患者に適切な抗がん剤,そして適切な投与量でプレシジョン・メディシンを,一貫して実施していくことが望まれる.そのためには一方で,血中濃度を測定する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の分析機器の正確性も求められる.本総説では,がん領域におけるTDMの意義について述べる.</p>
収録刊行物
-
- 日本薬理学雑誌
-
日本薬理学雑誌 153 (2), 73-78, 2019
公益社団法人 日本薬理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390845713052312960
-
- NII論文ID
- 130007596166
-
- NII書誌ID
- AN00198335
-
- ISSN
- 13478397
- 00155691
-
- NDL書誌ID
- 029494843
-
- PubMed
- 30745517
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
- OpenAIRE
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可