気管支断端瘻完全離開症例に対し保存的治療が奏功した1例

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  • Spontaneous Recovery of Completely Opened Bronchopleural Fistula with Conservative Therapy as the Most Appropriate Thoracic Drainage and Nutrition: Report of a Case

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抄録

<p>背景.気管支断端瘻は肺切除術後の重篤な合併症の一つであり,治療に難渋するケースも少なくない.保存的加療での治癒例は散見されるが,気管支断端が完全離開した症例での保存的加療による治癒例の報告はほとんどない.症例.66歳男性.他疾患フォロー中に発見された右下葉腺癌に対し,右下葉切除術および縦隔リンパ節郭清が施行された.術後23日目に気管支断端瘻を合併し,術後36日目には気管支断端は完全離開した.しかし,気管支断端直下への適切な胸腔ドレーン留置を行い,感染コントロールや栄養療法を併用することで,術後65日目に気管支断端瘻は自然治癒した.気管支断端閉鎖後は,vacuum-assisted-closure(VAC)療法の原理から,胸腔ドレーンを高陰圧で吸引したところ,膿胸腔は速やかに肉芽に置換され,術後80日目に膿胸腔は閉鎖した.結語.肺切除術後の気管支断端瘻は治療に難渋するケースもあるが,自然治癒例の報告もあり,症例に応じて,保存的加療も考慮すべきである.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (1), 46-50, 2019-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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