多発性骨盤部後腹膜神経鞘腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Multiple Intrapelvic Retroperitoneal Schwannomas
  • 症例 多発性骨盤部後腹膜神経鞘腫の1例
  • ショウレイ タハツセイ コツバンブ アトバラマク シンケイ サヤ シュ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は33歳,女性.腹部超音波検査で骨盤内腫瘤を指摘され当院紹介となった.CTでは仙骨前面の右側に50×32mm大,左側に84×59mm大の辺縁平滑な腫瘤性病変を認めた.両者の間に連続性はなく,2つの独立した腫瘤が疑われた.MRIではT1強調で筋肉と等信号,T2で軽度高信号であり,周囲臓器との連続性は認めなかった.その他明らかな転移を認めず,骨盤原発の後腹膜腫瘤と診断し,腹腔鏡にて手術を開始した.腫瘤は双方とも両側下腹神経に癒着していた.下腹神経本幹は両側とも温存して剥離しえたが,仙骨前面との癒着は強固で,開腹移行の上,2つの腫瘤とも表面を損傷することなく摘出した.切除標本の病理結果は,両腫瘤とも神経鞘腫であった.今回,下腹神経由来と考えられる骨盤部神経鞘腫が2つ同時に存在した貴重な症例を経験したので,多少の文献考察を加えて報告する.

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ