心身医学のダイナミズム

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamism of Psychosomatic Medicine
  • 会長講演 心身医学のダイナミズム : 臨床の知と病態最前線
  • カイチョウ コウエン シンシン イガク ノ ダイナミズム : リンショウ ノ チ ト ビョウタイ サイゼンセン
  • ―臨床の知と病態最前線―
  • ―Clinical Wisdom and Up-to-date Pathophysiology―

この論文をさがす

抄録

<p>医学部生のとき, 末期白血病患者の高校生との出会いから, 心身医学を専門にすることを決意した. 真実に基づいたがん治療がよい患者-医師関係をもたらす臨床研究を, 消化器PSM研究会で発表して約30年が経つ. 大学では 「機能性ディスペプシア (functional dyspepsia : FD) と心理的特性」 を研究した. 胃機能を測定できる簡便法であるドリンクテストを開発し, 不快ストレス時には胃痛とドリンク飲用量の低下がみられた. 騒音ストレスはラット胃前庭部収縮の亢進と脳幹のthyrotropin-releasing hormone (TRH) 陽性細胞数を増加させた. FD診療ガイドライン2014で難治性FDに推奨された催眠療法は, 心身医学分野での実践が少ない. TRHで脳腸相関を発見したTaché教授の指導を受け, 内因性TRHの粘膜保護作用を証明できた. 過敏性腸症候群では, 信頼・愛情に関係するオキシトシンがストレス誘発性腸管収縮亢進を抑制することを発見した. また, 発達障害の視点が必要なこと, 脳波バイオフィードバックの有用性がわかり実践している.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 59 (2), 116-123, 2019

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ