MRI検査業務における妊娠就業者の配置方針の背景要因の検討

  • 山口 さち子
    労働安全衛生総合研究所産業毒性・生体影響研究グループ
  • 前谷津 文雄
    公益財団法人 宮城厚生協会泉病院 放射線科
  • 𡈽井 司
    社会医療法人高清会 高井病院 放射線科
  • 引地 健生
    医療法人ひろせ会 広瀬病院 診療技術部放射線科
  • 藤田 秀樹
    社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 大阪府済生会中津病院
  • 今井 信也
    大阪物療大学 保健医療学部
  • 赤羽 学
    奈良県立医科大学 公衆衛生学講座
  • 井澤 修平
    独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
  • 王 瑞生
    労働安全衛生総合研究所産業毒性・生体影響研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses of background factors on allocating MRI scan duties to pregnant employees
  • MRI ケンサ ギョウム ニ オケル ニンシン シュウギョウシャ ノ ハイチ ホウシン ノ ハイケイ ヨウイン ノ ケントウ

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抄録

<p>本研究では2017年11月にMRI検査責任者宛てに実施した妊娠就業者のMRI検査業務の配置方針に関するアンケート2072件について,消極的配置(妊娠報告後は配置を減らす,配置しない等)の背景要因を検討した. 背景要因として,回答者の非電離放射線の見解と身体負荷の見解に着目した.第一に,決定木分析で消極的配置の回答について段階的に分析を行った結果,第一~三層で非電離放射線や身体負荷の見解が要因として抽出され,特に有害性に対する懸念が強く影響していた.続いて,消極的配置の選択における非電離放射線/身体負荷の見解の影響を二項ロジスティック回帰分析で検討した.独立変数は単変量解析で有意差を示した非電離 放射線の「関心・知識取得状況」,「有害性の懸念」,「ばく露防護」の3項目に,「身体負荷」,「基本属性」(性別, 年齢,人員充足度)とした.その結果,消極的配置の選択においては,非電離放射線への興味・関心は選択に影響を及ぼさないが,有害性やばく露防護に対する憂慮が影響を与えていることが示された.身体負荷の見解についても影響が観察されたことから,配置方針を検討する際の考慮要素であることが示唆された.また,基本属性では特に年齢が選択に影響していることが明らかとなった.本研究の分析結果は管理者と当事者が同程度に安全情報を共有できる資料作りに活用予定である.</p>

収録刊行物

  • 労働安全衛生研究

    労働安全衛生研究 12 (1), 3-12, 2019-02-28

    独立行政法人 労働安全衛生総合研究所

参考文献 (10)*注記

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