<b>芎帰調血飲が奏効した流産後3年間</b><b>持続していた全般性不安障害の1例</b>

  • 小池 宙
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター 東京都済生会中央病院総合診療内科 東京都済生会向島病院内科
  • 堀場 裕子
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター
  • 渡辺 賢治
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター 慶應義塾大学環境情報学部

書誌事項

タイトル別名
  • <b>A Case of Generalized Anxiety Disorder for Three Years After the Postpartum Period Treated with K</b><b>yukichoketsuin</b>
  • 臨床報告 芎帰調血飲が奏効した流産後3年間持続していた全般性不安障害の1例
  • リンショウ ホウコク キュウキチョウケツイン ガ ソウコウ シタ リュウザン ゴ 3ネンカン ジゾク シテ イタ ゼンパンセイ フアン ショウガイ ノ 1レイ

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説明

<p>[緒言]芎帰調血飲は『万病回春』に記載された産後一切の諸病に対して有効とされる方剤である。今回,流産後に出現し3年間持続していた全般性不安障害に対して芎帰調血飲が有効だった症例を経験したので報告する。[症例]39歳女性。生来明るい性格だったが36歳流産後より全般性不安障害を発症し人混みに留まることができなくなった。その後も不安が持続していたため漢方外来を受診した。[経過]抑肝散加陳皮半夏を約半年間内服するも症状持続したため芎帰調血飲に変更した後,精神状態が安定し日常生活の苦痛が大幅に軽減した。[考察]芎帰調血飲は『万病回春』に産後の治療薬の第一の方剤として挙げられ様々な加減での使用方法が記載されている。今回は流産以降3年間持続していた精神症状であったが芎帰調血飲に良好な反応を示した。産後に出現した症状の治療には芎帰調血飲も選択肢の一つとして検討するべきと考えられた。</p>

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参考文献 (5)*注記

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