雨季・乾季の環境変動を伴う東南アジアの河川研究

  • 南雲 直子
    国立研究開発法人土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Southeast Asian rivers under environmental changes in rainy and dry seasons
  • ウキ ・ カンキ ノ カンキョウ ヘンドウ オ トモナウ トウナン アジア ノ カセン ケンキュウ

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説明

<p>東南アジアのうち明瞭な雨季と乾季のある場所では,河川による土砂輸送や地形形成は数か月単位で劇的に変化する.このような変化は,第四紀の長期的な基準面変動に対する河川の応答に数オーダー小さい時空間スケールで類するものでもあって,河川の振る舞いを考える上で極めて重要であると考えられるが,これを扱った研究は少ない.また,河川による土砂輸送プロセスを考慮しながら雨季と乾季で異なる沖積平野の特性を理解しておくことは,洪水災害による被害を軽減する上でも必要である.本稿では,カンボジアおよびフィリピンでのこれらに関する研究事例を紹介し,第四紀学的視点で洪水氾濫や河川による土砂輸送,沖積平野の発達史といった陸域の諸現象を科学的に解釈し,変化の大きい水環境と人間生活の関わりの多様性への理解を通じて,安心・安全な地域社会の形成に貢献していくことの重要性について述べる.</p>

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 58 (1), 13-27, 2019-02-01

    日本第四紀学会

参考文献 (17)*注記

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