口腔乾燥症診断チャートの開発

  • 伊藤 加代子
    新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科
  • 船山 さおり
    新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科
  • 勝良 剛詞
    新潟大学医歯学総合病院歯科放射線科
  • 金子 昇
    新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野
  • 濃野 要
    新潟大学医歯学総合病院予防歯科診療室
  • 池 真樹子
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面放射線学分野
  • 井上 誠
    新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科 新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Diagnosis Chart for Xerostomia
  • コウコウ カンソウショウ シンダン チャート ノ カイハツ

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抄録

<p>口腔乾燥症の原因は,シェーグレン症候群(SS),ストレス,薬剤の副作用など多岐にわたるうえ,原因は 1つではない可能性がある.しかし,口腔乾燥症の診断基準は統一されておらず,医療機関あるいは歯科医師によって異なるのが現状である.また,従来のフローチャート形式の診断チャートでは,複数診断を行うことが困難である.著者らは,口腔乾燥症の診断を統一基準のもとで簡便に行うことを目的として,口腔乾燥症の診断基準を作成した.また,その診断基準をもとに, A4用紙 1枚の診断チャートを作成した.その後, 2014年 1月から 2016年 12月に当科を受診した初診患者 220名を対象として,診断チャートを用いた臨床統計を行った. 診断の結果,自律神経性口腔乾燥症(135 名, 61.4%)が最も多く,次いで薬剤性(126名, 57.3%),蒸発性(81名, 36.8%),シェーグレン症候群(35名, 15.9%),心因性(歯科心身症)(32名, 14.5%)であった.複数の歯科医師による診断の一致度は,カッパ係数が 0.99で非常に高かった(p< 0.001).診断名が 2つ以上ついている者は 74.5%であった. 今回,口腔乾燥症には,複数の要因が関連している可能性が高いことが明らかになった.今後,口腔乾燥症の診断にあたっては,複数診断が可能な口腔乾燥症診断チャートを使用することが有用であると考えられる. </p>

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