振動刺激およびミラーセラピーの併用療法により身体パラフレニアの改善を認めた一例

書誌事項

タイトル別名
  • Benefits of combining vibratory stimulation and mirror therapy on somatoparaphrenia:
  • シンドウ シゲキ オヨビ ミラーセラピー ノ ヘイヨウ リョウホウ ニ ヨリ シンタイ パラフレニア ノ カイゼン オ ミトメタ イチレイ
  • A case report

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抄録

身体パラフレニア(somatoparaphrenia;以下,SP)は,妄想性の誤認や作話,身体の所有感が消失する現象であり,通常右半球の前頭頭頂葉の広範な病変で生じ,左半球損傷では珍しいとされる.今回,右上下肢の非所属感,他人帰属化,右上肢の擬人化といったSP症状を訴える50歳代女性を担当した.頭部MRIにて左視床に2cmの血腫と,SPECT画像にて左半球の広範囲に血流欠損を認めた.本事例のSP症状に対し,振動刺激とミラーセラピーの併用療法を行ったところ,非所属感の改善を認めることができた.右上下肢への振動刺激とミラーセラピーの併用療法により身体図式が再構築されたことが,SPの改善につながったのではないかと考える.

収録刊行物

  • 作業療法

    作業療法 38 (2), 205-212, 2019-04-15

    一般社団法人 日本作業療法士協会

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