ASD 児者の感覚の特性(過敏と鈍麻)に関する国内研究の動向

  • 長南 幸恵
    長野県看護大学広域看護学講座精神看護分野

書誌事項

タイトル別名
  • Trends in Japanese research on sensory characteristics (over- and under-responsivity) in children and adults with autism spectrum disorder
  • ASDジシャ ノ カンカク ノ トクセイ(カビン ト ドンマ)ニ カンスル コクナイ ケンキュウ ノ ドウコウ

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抄録

<p>自閉症スペクトラム児者の感覚の特性に対する支援を検討するために、過去30 年間の国内研究のレビューを行った。医中誌Web 版にて「自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder: 以下ASD)」と「感覚」を検索キーワードとし、対象や内容が関連のないものを除外した結果、52 件であった。これまで医学的診断基準に感覚の特性(過敏や鈍麻:以下特性)が盛り込まれていなかったことが影響していると思われたが、今後は増加していくと予測される。感覚の特性に関する研究では、文献数および扱っている感覚数共に最多であった作業療法分野がその中心を担っていると思われた。ASD 児の半数以上に感覚の特性が生じ、生活の困難と結びつき、その程度や種類も個別性が高い。したがって、個々にアセスメントする必要があるが、誰がいつどのようにアセスメントしていくのかは、今後の課題の1 つである。さらにASD 児の母親は、早期から感覚の特性に気がついていることが多く、それが母親の感じる育てにくさにつながっている可能性がある。したがって、母親の感じる育てにくさから支援を開始することがASD 児の早期診断、早期支援に繋がる可能性があるだろう。</p>

収録刊行物

  • 自閉症スペクトラム研究

    自閉症スペクトラム研究 12 (1), 29-39, 2014-11-30

    NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会

被引用文献 (1)*注記

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