2018年北海道胆振東部地震によって発生した山地崩壊とテフラ層の関係

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タイトル別名
  • Relationship between the slope failures triggered by the 2018 Iburi East Earthquake and overlaying tephra layers

抄録

<p>2018年9月6日北海道胆振地方東部を震源として、M6.7、最大震度7を記録する「平成30年北海道胆振東部地震」が発生した。この地震により北海道勇払郡厚真町を中心に山腹斜面崩壊が多数発生し、土砂の流下・埋没により多くの家屋や人命が失われる甚大な被害となった。崩壊タイプは基盤上に堆積した浅い表土層が崩落する表層崩壊であり、この表土層(層厚2~3m)は主として過去に樽前山から噴出した軽石や火山灰層(テフラ)から構成される。とくに、厚真町周辺では、斜面上の厚い風化軽石層(Ta-d層、約9000年前に噴出)の下位にある粘土層を境界として崩落したものが多かった。また崩壊発生点は遷急線下部の35°以上の急斜面だけでなく、遷急線上部の緩やかな斜面(10~30°)にも多く発生していた。斜面の森林はカラマツ人工林や広葉樹二次林から構成されていたが、その根系は厚いテフラの内部には到達しておらず、上位の埋没腐植層に密に発達していた。そして地震による振動により、盤状になった根系ごと斜面下部に滑動しているのが多く観察された。講演では大規模な崩壊を引き起こしたメカニズム、とくに斜面を広く覆うテフラ層の構造と斜面崩壊との関係について考察する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713065778560
  • NII論文ID
    130007645159
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_147
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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