大起伏堆積岩山地における水質に着目した地下水流動経路の推定

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タイトル別名
  • Estimation of groundwater flow path focusing on water quality in large relief sedimentary rocky mountain

抄録

<p> 近年、豪雨による土砂災害が多発しているが、深層崩壊は大規模かつ広範囲に及ぶ。深層崩壊の発生には基岩内に存在する地下水が関与していると考えられているが、深層崩壊発生頻度が高いとされる中古生層堆積岩では、地下構造が複雑で研究事例も少ないため不明な点が多く残されている。本研究では堆積岩を基岩とする山地源流域にて、高密度に掘削されたボーリング孔を用いて基岩地下水の水質と深度との関係を考察し、さらに水質に基づき地下水の流動経路の推定を行った。対象地は滋賀県大津市葛川の安曇川上流の右岸斜面に位置する。地質は中古生層堆積岩で花折断層に付随する断層破砕帯が分布している。地下水を2017年10月11日に一斉採水し水質分析を行った。分析項目はpH、電気伝導度(EC)、主要溶存イオンと無機金属、酸素・水素安定同位体比である。結果の一部として、斜面中腹部より下では深度が大きくなるとECも大きくなったが、斜面上部の地下水は深度が大きくてもECは小さく、斜面中腹に位置する断層破砕帯直下の地下水は深度が小さくてもECは大きかった。このような位置による地下水の性質の違いは地盤の風化度の違いに起因することが推察された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713065797632
  • NII論文ID
    130007645466
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_398
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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