カラマツ人工林皆伐・地掻き15年後の広葉樹の実生更新・萌芽再生状況

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タイトル別名
  • Regeneration of broadleaved trees 15 years after clear-cutting and scarification of a <i>Larix kaempferi</i> plantation.

抄録

<p>地掻き処理を行って落葉・腐植層を攪乱することは、ウダイカンバなどの種子休眠性をもつ樹種の実生更新を促進する(梅木 2003;杉田ら2015)一方で、伐根や前生稚樹に著しい損傷を及ぼして前生個体による森林再生にマイナスの効果を及ぼすだろう。そのため、どのような地掻き強度が更新に最適なのか検討する必要がある。そこで岩手県小岩井農場山林のカラマツ人工林皆伐地において3段階の強度(A:A層まで攪拌、B:L・F層を掻く、C:無処理)で地掻きを実施し、2つの林床型(ササ密、ササ欠)について伐採15年後の更新状況のちがいを解析した。ウダイカンバ稚樹の発生はC区ではほとんどなかったが、A区、B区ではともに多かった。ほとんどあるいはすべて単幹個体である樹種(単幹樹種)では、ウダイカンバ、カラマツのように地掻き強度が大きいほど伐採15年後の幹密度・胸高断面積が高いものが多くみられた。複幹個体が多くみられる樹種(複幹樹種)では、ホオノキ、ウワミズザクラのように逆の傾向を示すものがみられ、とくにA区での低下が顕著だった。以上のように地掻き処理は単幹樹種の新規加入をもたらすが、強すぎる処理は複幹樹種の再生を阻害することが示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713066377856
  • NII論文ID
    130007645091
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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