樹齢や異型葉によって大きく異なるクスサン幼虫の成長

書誌事項

タイトル別名
  • Large difference of <i>Saturnia japonica</i> larvae performance depending on tree age and leaf type

説明

<p> 樹木の葉は、同種であっても成木と稚樹との間で、また同個体内であっても開葉時期の違いによって、その形態や形質が異なる。カバノキ属の樹木は、春に一斉に開葉する春葉と、春葉の開葉から一定期間おいて順次に開き始める夏葉を有し、これを異型葉(一斉+順次開葉)と呼ぶ。大型の蛾であるヤママユガ科クスサンの幼虫は、北海道においてウダイカンバの成木の葉を食い尽くす被害を出しているが、これまでの観察から、稚樹ではほとんど被害が認められていない。そこで、本研究ではウダイカンバの成木と稚樹、更にそれぞれの春葉と夏葉について、クスサン幼虫の摂食試験を行うことで、樹齢や異型葉の違いがクスサン幼虫の生存や成長に及ぼす影響について調べた。 クスサン幼虫の生存率および成長率は、成木の春葉を餌として飼育したグループが他のグループ(成木の夏葉、稚樹の春葉および夏葉)より著しく高かった。葉の形質については、成木の春葉が最もLMA(面積当たりの重さ=硬さの指標となる値)が大きかったものの、C/N比は最も低かった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713067024128
  • NII論文ID
    130007645755
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_663
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ