アカマツ実生苗のセシウム・カリウム吸収に及ぼす菌根菌の影響

DOI
  • 小河 澄香
    (国研)森林機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 山中 高史
    (国研)森林機構 森林総合研究所
  • 赤間 慶子
    (国研)森林機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 長倉 淳子
    (国研)森林機構 森林総合研究所立地環境研究領域
  • 山路 恵子
    筑波大学生命環境系

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of mycorrhizal formation on cesium and potassium uptake of <i>Pinus densiflora</i> seedlings

抄録

<p>アカマツのセシウム(Cs)吸収に及ぼす菌根菌接種の影響を調べるため、菌根菌ツチグリを接種したアカマツ実生苗を育てた。カリウム(K)添加の影響を評価するため、肥料として加えたホーグランド氏液は、無Kの組成のものも用意した。菌を接種した1箇月後にポット当り212 µMの塩化セシウム水溶液を20 ml添加した。その3箇月後、処理毎に8本のアカマツ苗を掘り取り、菌根形成を観察し、樹体の成長量とCs量を測定した。植物体全体の成長量は、菌根菌の感染により有意に増加した。このとき、CsやKの添加によるアカマツ苗の成長量の違いは認められなかった。アカマツ苗のCs含量は、菌根菌の感染によって有意に増加した。菌根菌を接種しない場合、K施肥によるアカマツ苗のCs含量の変化は認められなかったが、菌根菌を接種した場合は、K施肥によってアカマツ苗のCs含量は有意に減少した。一方、アカマツ苗のK含量は菌根菌の接種により有意に減少した。菌根菌の感染やK添加によるアカマツ苗のCsやK吸収の傾向は経時的に変化することも考えられるため、今後も調査を続ける必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390845713067558912
  • NII論文ID
    130007645179
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_136
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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