北海道南東沖Aライン上における春季の毎日CTD観測に基づく1か月より短い水温・塩分の変化と年変化との比較

  • 佐藤 政俊
    北海道立総合研究機構 函館水産試験場
  • 河野 時廣
    東海大学 生物学部 海洋生物科学科
  • 清水 勇吾
    水産総合研究センター 中央水産研究所 海洋・生態系研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Temperature and salinity variability shorter than one month based on daily CTD observation in spring off the southeast coast of Hokkaido and its comparison with annual change from repeat observations on A-line
  • ホッカイドウ ナントウオキ Aライン ジョウ ニ オケル シュンキ ノ マイニチ CTD カンソク ニ モトズク 1カゲツ ヨリ ミジカイ スイオン ・ エンブン ノ ヘンカ ト ネンヘンカ ト ノ ヒカク

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抄録

<p>親潮をモニタリングするために設計された北海道南東沖Aライン上の測点で2007年4月に行われた毎日CTD観測から日々スケールの水温・塩分の変化を調べ,2006年11月-2007年10月に行われた1-3か月間隔の通常のAライン観測による1年間の変化と比較を行った.短期変化における水温,塩分の標準偏差は,表層10 m では水温0.88-1.34 ℃,塩分0.11-0.19で,26.6-27.2 σθ 層では水温0.18-0.88 ℃,塩分0.02-0.11であった.この値は,年変化の標準偏差に対して,表層10 m では11-30%に達し,27.0 σθ 層では100%を超えていた.人工衛星資料から,短期変化は9-16日の周期を持っており,高気圧性渦の移動,および,渦の周りを移流していた沿岸親潮水,黒潮系暖水の測点への出現によって引き起こされていた事が示された.したがって,Aライン資料を用いて親潮の季節,経年変動を把握するためには,親潮域に出現する中規模渦や沿岸親潮水,黒潮系暖水の分布に注意して解析する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 22 (3), 71-84, 2013-05-15

    日本海洋学会

参考文献 (30)*注記

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