多剤併用による過鎮静のため日常生活に困難を伴うてんかん患者の精神症状に対してアリピプラゾールが著効した一例

  • 石田 哲朗
    札幌医科大学医学部神経精神医学教室 医療法人社団静和会石井病院精神科神経科
  • 木川 昌康
    札幌医科大学医学部神経精神医学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Epilepsy with Difficulty in Daily Life Due to Excessive Sedation from Multiple Drug Combinations That was Successfully Treated by Aripiprazole

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説明

<p>目的:精神遅滞を伴うてんかん患者の衝動性,易怒性に対する,アリピプラゾールの有効性を検討する.</p><p>方法:40代女性.中等度神発達遅滞,症候性全般てんかんがあり,施設入所中であった.衝動性や易怒性を認め,入所施設職員に対する暴力行為があった.また,高用量の抗てんかん薬,抗精神病薬が処方されており,倦怠感および日中傾眠傾向を認め,就労が困難な状態にあった.アリピプラゾールを併用した.</p><p>結果:精神症状の改善が得られ,昼夜の覚醒リズムも改善した.そのため,日常生活も安定し,作業所通所による就労も再開できた.著明な副作用は認められなかった.</p><p>結論:精神遅滞を伴うてんかん患者の衝動性,易怒性に対して,アリピプラゾールが有効な可能性がある.</p>

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参考文献 (1)*注記

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