急性胸部症候群を発症し救命し得た鎌状赤血球症

  • 久保田 泰央
    東京大学大学院医学系研究科 生殖・発達・加齢医学専攻 小児科学 埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 荒川 ゆうき
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 渡邉 健太郎
    東京大学大学院医学系研究科 生殖・発達・加齢医学専攻 小児科学 埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 池田 勇八
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 小山 千草
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 青木 孝浩
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 磯部 清孝
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 森 麻希子
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 花田 良二
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
  • 康 勝好
    埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科

書誌事項

タイトル別名
  • Successful management of acute chest syndrome in a patient with sickle cell disease
  • 症例報告 急性胸部症候群を発症し救命し得た鎌状赤血球症
  • ショウレイ ホウコク キュウセイ キョウブ ショウコウグン オ ハッショウ シ キュウメイ シエタ カマジョウ セッケッキュウショウ

この論文をさがす

説明

<p>鎌状赤血球症(SCD)はマラリア浸淫地域においては一般的だが,本邦では稀な疾患であるため,SCDの自然歴やその特有の合併症に関してはよく知られていない。症例は11歳のブラジル人の女児。出生後にSCDと診断されたが,日本へ移住後は定期的なフォローを受けていなかった。感染を契機として疼痛発作を起こし,当院へ紹介入院となった。入院後に呼吸状態が徐々に悪化し,胸部X線から急性胸部症候群(ACS)と診断して人工呼吸器管理や赤血球輸血を含めた集中治療を要した。ACSは疼痛発作の半数程度に合併することが知られており,発症すると致死率が高いことから,疼痛発作での入院時には輸血,感染の管理などACSの予防に努めることが極めて重要である。今後,海外からの移住者が増加することによって本邦でもSCD患者が増加すると予想されるため,本邦の血液内科医,小児科医もSCD特有の合併症を認識することが重要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (5), 382-386, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ