下水処理水放流先に自生する二枚貝のノロウイルス汚染

  • 伊藤 絵里香
    岩手大学 大学院連合農学研究科地域環境創生学専攻
  • 木村 香月
    山形大学 農学部食料生命環境学科
  • 西山 正晃
    山形大学 農学部食料生命環境学科
  • 今田 義光
    東北大学 東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)
  • 大村 達夫
    東北大学 東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)
  • 渡部 徹
    山形大学 農学部食料生命環境学科

書誌事項

タイトル別名
  • NOROVIRUS CONTAMINATION OF WILD SHELLFISHES IN AN ESTUARY RECEIVING TREATED MUNICIPAL WASTEWATER
  • ゲスイ ショリスイ ホウリュウサキ ニ ジセイ スル ニマイガイ ノ ノロウイルス オセン

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抄録

2 つの都市下水処理場の影響を受ける仙台市の蒲生干潟において,2017年10月から2018年2月に渡り,自生する牡蠣およびイソシジミに蓄積されたノロウイルス量の分析を行った.牡蠣とイソシジミどちらも,感染性胃腸炎の流行前から体内にノロウイルスを蓄積させていた(牡蠣で中腸腺1gあたり2.2 log copies,イソシジミで2.5 log copies程度).ノロウイルスGIIの蓄積量は,感染性胃腸炎患者の増加に伴って明らかに増加していた.ここで明らかとなった牡蠣およびイソシジミのノロウイルスGII蓄積量は,干潟に近い下水処理場流入水中のウイルス量とは相関関係がなかった.一方で,仙台市の胃腸炎患者報告数との間には有意な相関が見られ,市内での感染症流行対策を行うことが,二枚貝の安全性の向上につながることが示された.

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参考文献 (6)*注記

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