P-2-E27 呼吸リハ外来における重症心身障害児(者)のバギング・MI-Eの介入状況

  • 齋藤 裕子
    心身障害児総合医療療育センター リハビリテーション室 理学療法科
  • 青山 祐樹
    心身障害児総合医療療育センター リハビリテーション室 理学療法科
  • 今野 有里
    心身障害児総合医療療育センター リハビリテーション室 理学療法科
  • 直井 富美子
    心身障害児総合医療療育センター リハビリテーション室 理学療法科
  • 須山 薫
    心身障害児総合医療療育センター 看護科
  • 山口 直人
    心身障害児総合医療療育センター 小児科
  • 高橋 長久
    心身障害児総合医療療育センター 小児科
  • 村山 恵子
    心身障害児総合医療療育センター 小児科 げんきこどもクリニック

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説明

目的 近年、重度呼吸障害を有する在宅障害児者が増加している。当センター呼吸リハビリテーション外来(以下、呼吸リハ外来)では、個々の状況に合わせ陽圧換気療法を含めた呼吸ケア指導を実施している。今後の介入指針を検討する目的で、現在までの介入状況を調査した。 対象 呼吸リハ外来受診中の外来患者73名(脳原性疾患47名・神経筋疾患26名)の内、過去5年間(2012-2017年)で陽圧換気療法の実施内容を変更し、かつ後方視的評価が可能な脳原性疾患患者8名。 方法 8名の陽圧換気療法の実施内容を後方視的に調査した。 結果 呼吸リハ外来初診年齢は、12.3(2-24)歳。主な受診理由は、高度側弯による拘束性換気障害予防、舌根沈下・上気道閉塞による閉塞性換気障害、誤嚥性肺炎による入院回数増加、上気道感染重症化、排痰困難、浅呼吸、経皮的動脈血酸素飽和度低下が挙げられた。8例とも最大吸気容量維持・排痰補助目的で蘇生バッグでの陽圧換気療法(以下、バギング)を開始、のちに機械的排痰補助装置(以下、MI-E)へ移行した。移行理由は、1)バギング受容が良好でさらなる胸郭拡張・柔軟性向上目的が4例(移行期間:1年が3例、4年が1例)、2)蘇生バッグ容量が足らず排痰困難・胸郭拡張不十分が4例(移行期間:各1、4、7、10年)だった。MI-E初期設定の平均吸気圧26.4(20-30)hPa、呼気圧22.9(10-30)hPa、吸気時間2.5(2-3)秒、呼気時間2.4(2-3.5)秒であった。 考察 予防目的で呼吸リハ外来を受診した症例は1例であった。その他は症状悪化や機能低下を発端に受診した。バギングからMI-Eへの移行理由は排痰困難以外に胸郭拡張・柔軟性向上が挙げられた。陽圧換気療法は体調不良時の排痰補助の手段だけではなく、幼少期から実施することで胸郭拡張、柔軟性改善につながる可能性があると考えられる。

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