走査型透過電子顕微鏡法による陽イオン微小変位計測を用いた構造解析

  • 小林 俊介
    一般財団法人ファインセラミックスセンターナノ構造研究所
  • 山本 剛久
    一般財団法人ファインセラミックスセンターナノ構造研究所 名古屋大学工学部マテリアル工学科
  • 幾原 雄一
    一般財団法人ファインセラミックスセンターナノ構造研究所 東京大学大学院工学系研究科総合研究機構

書誌事項

タイトル別名
  • Structural Analysis of Slight Cation Displacements Using Scanning Transmission Electron Microscopy
  • ソウサガタ トウカ デンシ ケンビキョウホウ ニ ヨル ヨウイオン ビショウ ヘンイ ケイソク オ モチイタ コウゾウ カイセキ

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説明

<p>走査型透過電子顕微鏡法ではナノメートルオーダーの格子変形が直視できるようになり,物質・材料の原子レベルでの構造解析において極めて有効な手法となった.多くの機能性材料において物性発現サイズがナノスケールとなり,表面,ヘテロ界面や格子欠陥近傍の僅かな原子配列の変化を解析するためは,現状よりさらに一桁小さいピコメートルオーダーによる原子位置の計測が必要不可欠な技術となる.このピコメートルオーダーの実空間での材料解析において走査型透過電子顕微鏡法が一つの重要な手法となりつつある.本稿ではオリビン型リン酸鉄リチウムの表面再構成構造観察の結果および画像解析によって初めて認識できる10 pm以下の陽イオン変位を内在するチタン酸バリウム薄膜中のドメイン構造解析に関して紹介する.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 54 (1), 19-23, 2019

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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