反復唾液嚥下テストは施設入所高齢者の摂食・嚥下障害をスクリーニングできるか?

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  • Can the Repetitive Saliva Swallowing Test Be Used as a Screening Method for the Elderly Patients with Dysphagia Treated in Nursing Homes?

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<p>反復唾液嚥下テスト(Repetitive Saliva Swallow Test,以下RSSTと略す)は才藤(1996年)が考案した摂食・嚥下障害のスクリーニング法である.本法では30秒以内に唾液を3回以上嚥下できれば摂食・嚥下機能は良好と判定される. 今回,摂食・嚥下障害のスクリーニングにRSSTが有用であるかどうか検討するため,札幌ならびに近郊の老健施設16施設,特別養護老人ホーム1施設計17施設の入所高齢者1098名を対象にRSSTの回数と摂食・嚥下障害の有無との関連性を調査した.摂食嚥下障害の有無は看護婦あるいは直接介護にあたるもののが入所者の食事中あるいは食後の観察から判定した. 対象の男女比は1:2.5で女性が多く,平均年齢は82.2歳であった.1098名中1048名(95.4%)にRSSTが可能であった.RSSTが可能であった1048名中137名(13.1%)に摂食嚥下障害を認めた.1048名中392名(37.4%)は反復唾液嚥下が3回以上可能であり,残り656名(62.6%)は2回以下であった.RSSTの各回数とその群における摂食・嚥下障害を有する者の割合をみると,回数の多い群ほど摂食・嚥下障害を有する者の割合は低かった.2回以下と3回以上の群における摂食・嚥下障害を有する者はそれぞれ110名と27名であり,両群間には有意差がみられた(p<0.001). 3回以上を機能良好とした場合の本法の検査能力はsensitivity 80.3%, specificity 40.1%であった. 以上の結果より,RSSTは施設入所の高齢者における摂食嚥下障害のスクリーニングに有用であると考えられた.</p>

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