社会不安障害における安全確保行動の役割(展望)

  • 岡島 義
    北海道医療大学大学院心理科学研究科:日本学術振興会
  • 坂野 雄二
    北海道医療大学心理科学部

書誌事項

タイトル別名
  • Safety Behavior and Social Anxiety Disorder(Review)

説明

本稿の目的は、社会不安障害(SAD)の維持要因である安全確保行動の役割と安全確保行動を治療ターゲットにすることの重要1生について概観し、SADの安全確保行動に対する治療技法を確立するための展望を行うことであった。本稿において、安全確保行動は、(1)認知理論の枠組みから否定的な信念の維持要因としての役割が強いこと、(2)機能的側面から適切な対処行動と区別する必要があること、(3)安全確保行動を治療ターゲットとした場合、従来のエクスポージャーよりも治療効果が高いことが述べられた。また、今後の課題と展望として、(1)安全確保行動に関する心理教育が重要であること、(2)SAD患者に安全確保行動を止めさせるとともに、他者から適切な評価を受けるためのスキルを身につけさせる必要があること、(3)安全確保行動に関する治療効果研究の実践が必要であること、が議論された。

収録刊行物

  • 行動療法研究

    行動療法研究 34 (1), 43-54, 2008-09-30

    一般社団法人 日本認知・行動療法学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713074693248
  • NII論文ID
    110009668115
  • DOI
    10.24468/jjbt.34.1_43
  • ISSN
    24242594
    09106529
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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