理学療法拒否が見られた統合失調症患者に対する応用行動分析学的介入

書誌事項

タイトル別名
  • Intervention using applied behavior analysis to a schizophrenia patient who had refused physical therapy
  • リガク リョウホウ キョヒ ガ ミラレタ トウゴウ シッチョウショウ カンジャ ニ タイスル オウヨウ コウドウ ブンセキガクテキ カイニュウ

この論文をさがす

抄録

統合失調症と自殺企図のある下腿切断患者に対する義足歩行訓練に応用行動分析学を取り入れた介入を行い,その効果について検討した. 介入当初,義足への荷重訓練に対して,拒否的な言動,疼痛の増悪,握力の低下などの問題行動がみられた.介入では,対象者の受け入れやすい行動目標(歩行)を取り入れ,歩行距離の延長という強化刺激をフィードバックすることで,理学療法への参加行動を定着させることに成功した.次いで,対象者の好みの活動と要求をアンケートによって把握し,それを行動目標とした.目標を到達するため必要な動作能力とそれを獲得するために必要な訓練内容を本人に説明し,同意のもとに実施した.その結果,実用的な歩行形態の獲得,階段昇降動作の獲得など,さらなる移動能力の向上を図ることが可能であった.最終的に対象者は自宅退院に成功した. 以上のことから,今回の介入は理学療法への参加行動を定着させる上で有益な方法と考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ