P-002 新人療法士における腰痛の実態

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抄録

<p>【目的】</p><p>以前筆者は理学療法士養成校における学生の腰痛の実態を調査し、1 年生にて45 名中13 名で有していた(28.9%)が、約</p><p>1 年後の2 年生の時点では、39 名中17 名(43.6%)と増加していた。この要因として長時間の座位や運動の減少があげられたが、本研究ではその年代から1 ~2 年後の新人療法士の腰痛をアンケート調査し、腰痛の内容から対応を検討した。</p><p>【方法】</p><p>当院新入職の療法士39 名(22.6 ± 2.8 歳、男性22 名、女性17 名)を対象とした。調査内容は、腰痛の出現の有無、腰痛の誘発因子、腰痛のNRS、腰痛の出現時期、体幹前屈と後屈どちらで腰痛が出現するかとした。対象者本人に対し同意を得た。</p><p>また発表に対し当院倫理規定に基づき許可を得た。</p><p>【結果】</p><p>腰痛が出現する者が28 名(71.8%)であり、腰痛の誘発因子は長時間の同姿勢で21 名(53.8%)、長時間の座位で10 名(25.6%)、長時間の立位で10 名(25.6%)、NRS は平均で3.8 ± 1.6、腰痛の出現時期は大学生からが15 名(38.5%)、高校生からが9 名(23.1%)、中学生からが3 名(7.7%)、体幹前屈で疼痛が出現する者が17 名(43.6%)、後屈が14 名(35.9%)であった。</p><p>【考察】</p><p>先行研究では臨床経験2 年目以上の理学療法士637 名中、過去2 年以内に業務に支障をきたすほどの筋骨格系職業性傷害を経験した者は42% であり、腰部が69%、要因は移乗介助が34% と多かったとの報告がある。筆者の先行研究でも腰痛が出現することがある者が、専門学校1 年生より2 年生で28.9% から43.6% に増加していた。今回の調査では71.8% であり、長時間の同姿勢が誘因であったことから、大学生活における長時間の同姿勢での授業が大きな原因と考えられた。新人療法士には腰痛の悪化のリスクがあることを踏まえ、腰痛予防に関する新人教育が必要と考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713075289984
  • NII論文ID
    130007623439
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_102
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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