O-080 しゃがみ込み動作獲得に至った右脛骨・腓骨遠位端骨折を呈した一症例
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- 井波 博
- ひたちの整形外科
Description
<p>【はじめに】</p><p>脛骨骨幹部骨折は四肢長管骨骨折で最も頻度が高く,日常遭遇することの多い骨折である.今回,右脛骨・腓骨遠位端骨折を呈した症例の理学療法を実施する機会を得て受傷前と同様のしゃがみ込み動作獲得に至った.ここに若干の考察を加えて報告する.尚,患者には本発表の意義と目的を書面にて十分に説明し同意を得た.</p><p>【症例紹介】</p><p>年齢:50歳代.性別:女性.診断名:右脛骨・腓骨遠位端骨折.現病歴:登山中に転倒受傷し,翌日当院入院.受傷後</p><p>5日目ORIF施行.</p><p>【外来理学療法開始時評価(術後50日目)】</p><p>疼痛:内果後方に圧痛+ 短腓骨筋伸張痛+他動背屈時・しゃがみ込み時距腿関節前外側部に疼痛あり.徒手的に距骨後方誘導下では疼痛消失ROM‐t(R/L):底屈50°/60°背屈15°/20°荷重位背屈(R/L):15°/30°母趾MTP背屈最終角度に左右差あり.しゃがみこみ困難.</p><p>【最終理学療法評価(術後250日目)】</p><p>疼痛:内果術創部安静時痛・圧痛+ 腓骨筋伸張痛-ROM‐t:(R/L):底屈60°/60°背屈20°/20°荷重位背屈(R/L):30°/30°母趾MTP背屈角度左右差なし.しゃがみ込み自立.</p><p>【考察】</p><p>本症例は脛骨・腓骨に斜骨折を呈し,脛骨は天蓋部前外側まで骨折が及んでいた.評価より短腓骨筋伸張痛と母趾MTP関節背屈可動域の左右差の存在,背屈時に距腿関節前方でのインピンジメントが距骨後方誘導下での背屈強制で疼痛が消失したことより背屈制限の原因は,PB,FHLの伸張性低下に伴う距骨後方可動性の低下と考えた.この背屈制限はインピンジメントの確認より脛骨天蓋前外側骨折部へのストレスも考えられたことから,治療は主にFHL,PBのストレッチングと徒手的に距骨後方移動操作を実施し後方関節包のストレッチングを行った.結果,距骨の円滑な後方移動が可能となり疼痛なくしゃがみ込みが可能となったと考える.</p>
Journal
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 36 (0), 80-80, 2017
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713075729536
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- NII Article ID
- 130007623808
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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