議論・調整・決定――戦後英国における執政府中枢の変容――

書誌事項

タイトル別名
  • Discussion, Coordination and Decision-making: The Changing Core Executive in British Government

説明

<p>英国の政治運営メカニズムは,公式には,大臣責任制とともに,集合的決定と連帯責任原則を特徴としてきた。政府内には集合的決定と連帯責任原則を支えるべく情報の共有と調整のためのメカニズムの発達がみられた。その中心に位置したのが首相府と内閣府そして財務省である。集合的決定と連帯責任原則は基本的には首相を含めた閣僚間,省庁間の水平的関係を念頭においた議論を前提としていた。しかし,ブレア労働党政権以降,執政府中枢はたんに調整のためのメカニズムではなくなった。首相=蔵相とそれ以外の大臣,首相府=内閣府=財務省とそれ以外の省庁の関係の変化は,水平的関係を特徴とする同輩色(collegiality)を薄れさせ,上下関係の階層性という色彩を強めた。省庁は,いわば「下請け」的な下位の組織となり,政策方針との関係から必要に応じて,そして頻繁に合従連衡の再編をされる存在となった。本稿ではまず,1970年代における政治運宮の古典的メカニズムについて概観したあと,1980年代から90年代にかけての保守党長期政権下での首相府と内閣府の特徴ととくにサッチャー政権期の政治運党のあり方を検討する。そのうえで,1979年に成立をした労働党政権が行った執政附中枢の強化とその背景を論じ,英国の政治運営メカニズムにおける議論のあり方の変化を考察する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713075774336
  • NII論文ID
    130007661668
  • DOI
    10.32202/publicpolicystudies.9.0_23
  • ISSN
    24345180
    21865868
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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