ポリエチレン保存容器から大気への拡散を考慮した水中ラドン濃度推定法の開発

  • 川端 訓代
    鹿児島大学総合教育機構アドミッションセンター 鹿児島大学大学院理工学研究科
  • 北村 有迅
    鹿児島大学大学院理工学研究科
  • 冨安 卓滋
    鹿児島大学大学院理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Estimation Method of <sup>222</sup>Rn Level in Water Considering Its Diffusion from Polyethylene Bottle to Atmosphere
  • ポリエチレン ホゾン ヨウキ カラ タイキ エ ノ カクサン オ コウリョ シタ スイチュウ ラドン ノウド スイテイホウ ノ カイハツ
  • Development of estimation method of 222 Rn level in water considering its diffusion from polyethylene bottle to atmosphere

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抄録

<p>岩石から放出されるラドンは水に対する溶解度が高く,地殻内では流体とともに移動する.ラドンの放出量は岩石の亀裂や流体と岩石の接触比に比例して増減するため,亀裂発生や歪状態の変化など地殻内情報を得るために地下水中のラドン濃度が測定されている.水中ラドンは,採取後に壊変に加え大気への拡散によって減少し続けるため採取地にて測定が行われてきた.本実験では水中ラドン濃度測定を実験室で行うため,ポリエチレン保存容器内から大気へ放出するラドンの拡散係数を求め採取時の水中ラドン濃度の推定を試みた.鹿児島県桜島の三つの温泉水を試料とし,保存容器内の水中ラドン濃度の時間変化から拡散係数を推定した.その結果,1.6〜2.4 × 10−11 m2s−1(平均: 1.90 × 10−11 m2s−1)の拡散係数が得られた.これらの値は既往研究におけるポリエチレン素材フィルムを透過する際のラドンの拡散係数と似た値を示しており妥当な値を得たと考えられる.本研究で提示した式は,推定値の誤差を小さくするためラドンの半減期以内に測定を行うことが必要となる.推定値誤差として,推定値残差が測定値幅を上回ることから,本実験で得た予測式を用いる場合,最大推定値残差(約20%)を付することが適切である.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 68 (5), 333-338, 2019-05-05

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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