気管支鏡下高周波スネアにて切除しえた気管支粘表皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Rare Case of Bronchial Mucoepidermoid Carcinoma Treated by Endobronchial Electrocautery Using a Polypectomy Snare

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抄録

<p>背景.気管支粘表皮癌は気管支腺由来の悪性腫瘍に分類され,頻度は全原発性肺腫瘍の0.1~0.2%と稀な疾患である.今回我々は,気管支鏡下高周波スネアによる腫瘍切除術のみで長期にわたり再発を認めない気管支粘表皮癌の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例.58歳の女性.発熱,咳嗽を主訴に当科を受診した.胸部CTで右中間幹を閉塞する腫瘤影を認め,気管支鏡検査で右主気管支の軟骨輪側に基部をもつ,ポリープ型の表面平滑な腫瘍性病変を認めた.全身麻酔下に高周波スネアによる気管支鏡下腫瘍切除術を施行した.病理組織検査では異型性や核分裂像に乏しく,低悪性度の粘表皮癌と診断した.社会的背景より長期入院が困難であるため,気管支切除術は追加せずに経過観察する方針となった.切除後9年6か月が経過したが再発を認めていない.結論.気管支粘表皮癌に対する高周波スネアによる気管支鏡下腫瘍切除術は,症例によっては有用な治療法の一つになる可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (3), 245-249, 2019-05-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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