P-046 脳血管障害によりAICA 症候群を呈し離床に難渋した2 症例

  • 小川 秀幸
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 理学療法科
  • 西尾 尚倫
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 理学療法科
  • 丸山 薫
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 理学療法科
  • 堀 匠
    埼玉県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科

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<p>【はじめに】</p><p>前下小脳動脈(以下,AICA)症候群では、眩暈や嘔気などの主症状に関する報告が多く、離床に難渋した報告は少ない。今回、AICA 症候群を呈し離床に難渋した2 症例を経験したので報告する。尚、本人の同意及び倫理委員会の承認を得た</p><p>【症例紹介】</p><p>症例A:40 代女性。急性くも膜下出血を発症し58 病日に転入院となった。画像所見では左中小脳脚から橋左後外側と延髄左外側に梗塞疑いがあり、左小脳外側から乳突蜂巣に術後性変化を認めた。初期の身体機能はBrs: 右下肢III、左下肢IV、下肢MMT は右3 レベル、左2 レベルであった。ヘッドアップ30 度で眩暈と嘔気が強く離床困難なため、日常生活活動はFIM で運動13 点、認知19 点、合計32 点であった。症例B:60 代男性。心原性脳梗塞を発症し51 病日に転入院となった。画像所見では左小脳半球下部と左中小脳脚から橋左後外側に梗塞を認めた。Brs: 両下肢VI、下肢MMT は両側3 レベルであった。ヘッドアップ30 度で眩暈と嘔気が強く離床困難なため、FIM は運動30 点、認知34 点、合計64 点であった</p><p>【結果】</p><p>症例A: ベッド上での身体運動やヘッドアップ角度の漸増を繰り返し、眩暈や嘔気は110 病日頃より改善した。屋外独歩自立となり213 病日に自宅復帰した。終期のBrs は右下肢V、左下肢VI、下肢MMT は右5 レベル、左4 レベル、FIM は運動83 点、認知35 点、合計118 点となった。症例B: ベッド上での身体運動を繰り返し、眩暈や嘔気は100 病日頃より改善した。院内独歩自立となり159 病日に自宅復帰した。下肢MMT は両側4 レベル、FIM は運動91 点、認知34 点、合計125 点となった【考察】</p><p>AICA は主に橋・小脳に血流を供給し、分枝として橋の蝸牛神経核や内耳の蝸牛にも血流を供給している。このため、今回の</p><p>2 症例では頭位の変化により回転性眩暈や嘔気が強く出現し離床困難となったと推察された。画像所見と身体機能評価の双方の視点を組み合わせることで、適切な廃用予防や長期的な機能改善につながったと考える</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390845713076117760
  • NII Article ID
    130007623559
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_146
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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