O-013 市中肺炎患者の%VC は再入院の予測因子として有用である-Propensity score を用いた検討

DOI
  • 酒井 康成
    信州大学医学部附属病院 リハビリテーション部 信州大学大学院医学系研究科
  • 大平 雅美
    信州大学医学部保健学科 理学療法学専攻
  • 横川 吉晴
    信州大学医学部保健学科 理学療法学専攻
  • 山本 周平
    信州大学医学部附属病院 リハビリテーション部
  • 吉村 康夫
    信州大学医学部附属病院 リハビリテーション部

抄録

<p>【目的】</p><p>我々は,第52 回日本理学療法学術大会にて市中肺炎(CAP) 患者の%VC が再入院の予測因子であることを明らかとした.しかしサンプルサイズが小さく独立変数の投入因子が少なかった事から背景因子を十分に考慮することができなかった.そこで本研究はPropensity score(PS) を用い背景因子を調節した上で患者の%VC が再入院の予測因子であるかを明らかとすることを目的とした.</p><p>【方法】</p><p>対象はC A P 患者1 2 2 名.検討項目は年齢,性別,BM I ,喫煙歴,FI M ,整形疾患・呼吸器疾患・心疾患・糖尿病の既往の有無,血圧,脈拍,体温,肺炎重症度(CURB65-score),%肺活量(%VC),再入院までの日数とした.フォローアップ期間は1年間とした.統計学的解析は,再入院の予測因子であった%VC を正常群と低下群の2 群に分類し,Kaplan-meier 法を用いた検討を行った(Log-rank test).次に,再入院を従属変数,検討項目を独立変数としたロジスティック回帰分析による検討を行った.この際,%VC 以外の背景因子をPropensity score に換算し,独立変数として共変量の調整を行った.なお,有意水準は5% とした.</p><p>【結果】</p><p>再入院患者数は56 人であった.再入院の発生率に関して,%VC 低下群は正常群と比較し再入院までの日数が短い傾向が示された(Log-rank test p <0.001).ロジスティック回帰分析の結果は%VC(OR)1.14(95% 信頼区間1.08-1.21,p <0.001) であった.</p><p>【結論】</p><p>%VC は肺コンプライアンスや呼吸筋力を反映し,咳嗽力と関係がある.そのため喀痰や細菌の排除に重要な要素であることから,%VC が再入院の影響因子であることが考えられた.CAP 患者において%VC が再入院予測のために有用な指標であり,%VC を改善させることが再入院率の低下に重要であることが示唆された.</p><p>【倫理的配慮・説明と同意】</p><p>本研究は昭和伊南総合病院研究倫理審査委員の承認( 承認No4014-4) を得た.患者に対して研究の趣旨,結果の取り扱いについて説明し同意を得た.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713076120320
  • NII論文ID
    130007623592
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_13
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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