サーモン生食による日本海裂頭条虫寄生に伴い発症した漏出性胆汁性腹膜炎の1小児例

  • 桝屋 隆太
    北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター 鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 岡本 好司
    北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター
  • 木戸川 秀生
    北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター
  • 山吉 隆友
    北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター
  • 野口 純也
    北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター
  • 伊藤 重彦
    北九州市立八幡病院救命救急センター
  • 南川 将吾
    北九州市立八幡病院小児救急センター
  • 神薗 淳司
    北九州市立八幡病院小児救急センター
  • 家入 里志
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Biliary Peritonitis Due to Bile Leakage Without Perforation, Associated With Infection of <i>Diphyllobothrium nihonkaiense</i>: A Report of a Pediatric Case
  • 症例報告 サーモン生食による日本海裂頭条虫寄生に伴い発症した漏出性胆汁性腹膜炎の1小児例
  • ショウレイ ホウコク サーモン セイショク ニ ヨル ニホンカイ レットウ ジョウチュウ キセイ ニ トモナイ ハッショウ シタ ロウシュツセイ タンジュウセイ フクマクエン ノ 1 ショウニレイ

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抄録

<p>14歳男児.日常的にサーモンの刺身を食べていた.突然生じた右上下腹部痛のため当院を受診したところ同部に筋性防御,反跳痛を認めた.血液生化学検査で白血球および肝胆道系酵素の上昇を,腹部造影CTでは胆囊周囲および右下腹部に腹水貯留を認めたが胆石や胆管拡張の所見はなかった.審査腹腔鏡では黄色透明な胆汁性腹水貯留および胆囊漿膜の黄色変性を認めたが,明らかな穿孔部位はなく,胆囊摘出は施行せず腹腔内を洗浄しドレーンを留置して終了した.全身状態は速やかに改善し,術後1日目に腹痛はほぼ消失しドレーン排液も淡血性となった.原因検索のため便を鏡検したところ多数の虫卵を認め,形状から日本海裂頭条虫と診断した.プラジカンテル内服により翌日虫体が排泄され,腹部症状の再燃なく経過し,術後14日目に軽快退院した.条虫の感染を伴う漏出性胆汁性腹膜炎は極めて稀であり,文献的考察を踏まえ報告する.</p>

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