痙直型脳性麻痺者における足関節等尺性背屈時のH 波の特徴

DOI オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of H-reflex during Isometric Dorsiflexion of the Ankle in Patients with Spastic Cerebral Palsy

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】本研究の目的は,痙直型脳性麻痺(以下,CP)者における安静時と足関節等尺性背屈時のH 波の振幅値変化の違いを明らかにすることとした。【方法】対象は粗大運動能力分類システムにてレベルⅠ,Ⅱ,ⅢのCP 群14 名と健常者である対照群14 名とした。CP 群では下肢随意性検査を行い,利き足を決定した。両群で利き足でのヒラメ筋のH 波最大振幅値を安静時と等尺性背屈時とで比較した。【結果】対照群は等尺性背屈時にH 波最大振幅値が有意に低下したが,CP 群は振幅値が低下した者が8 名,上昇した者が6 名であり,全体としては変化がなかった。【結論】CP 者は足関節等尺性背屈時にヒラメ筋への相反抑制がかからない者がおり,健常者と比べて脊髄前角細胞の興奮性が十分に制御されていなかった。CP 者の腓腹筋やヒラメ筋のストレッチでは,背屈時のH 波振幅値の上昇と低下に合わせて,相反抑制の効果を組み合わせるか判断する必要性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 46 (3), 168-173, 2019

    日本理学療法士学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ