静脈血栓塞栓症の原因として高ホモシステイン血症が疑われた1症例
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- 内田 真人
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科 国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター
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- 竹中 克彦
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 荒木 将裕
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 浦 祐次郎
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 目野 恭平
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 桑原 志実
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 江島 恵美子
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 麻生 明見
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 森 隆宏
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 沼口 宏太郎
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 村里 嘉信
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
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- 中村 俊博
- 国立病院機構九州医療センター 循環器内科
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of venous thromboembolism with hyperhomocysteinemia
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説明
<p> 静脈血栓塞栓症は血栓素因を契機に発症することが多い.今回,高ホモシステイン血症以外に血栓素因のない稀な静脈血栓塞栓症を経験した.症例は手術歴や外傷歴のない65歳男性.突然の呼吸困難感,チアノーゼが出現し当院搬入となった.搬入時,SpO2 82%であり,造影CTで両側肺動脈に巨大血栓,両側大腿静脈に充実性の血栓を認め,急性肺血栓塞栓症,深部静脈血栓症と診断した.右室機能不全を合併し,血行動態がcollapseした経緯もあることから緊急で肺動脈造影とカテーテル的血栓破砕・吸引術,血栓溶解療法,下大静脈フィルター留置術を行い,血行動態は安定した.抗凝固薬の内服を開始しD-dimerは経時的に低下し,1週間後の造影CTにて肺動脈の残存血栓はわずかであり第7病日に退院した.悪性疾患や環境因子はなく,血液検査では明らかな血栓素因も認めなかった.唯一,血清ホモシステイン濃度のみ61.8 nmol/mLと異常高値であった.遺伝子検査でmethylenetetrahydrofolate reductase(MTHFR)遺伝子多型のホモ変異TT型が判明し,外来で葉酸補充療法を開始し,以降血中ホモシステイン濃度は低下した.静脈血栓塞栓症の再発なく経過している.明らかな血栓素因のない静脈血栓塞栓症に対して,血中ホモシステインを測定し,原因と考えられる場合には二次予防目的の葉酸補充療法が有効かもしれない.</p>
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 50 (6), 661-666, 2018-06-15
公益財団法人 日本心臓財団
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713078904704
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- NII論文ID
- 130007665140
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可