市町村のスポーツ振興に関する一考察

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タイトル別名
  • A Study on Sports Promotions in Municipal and Town Areas

抄録

本研究は地域行政組織のトップであり,スポーツ行政に与える影響力も大であるといわれる市町村首長と,政策の直接的な担い手である社会体育担当職員,さらに行政と住民の中間的な立場にあって地域スポーツ活動の公的な指導者である体育指導委員に対して,市町村のスポーツ振興に関する基本的な意識調査を行い,行政当局のスポーツ振興に対する姿勢や考え方についての考察を試みた.結果と考察を以下のとおり要約することができる.首長をはじめとする行政当局者は,当該市町村のスポーツ振興の柱である公共スポーツ施設の現状やそのあり方について,その現状とは異なる「甘い評価」をする傾向にあり,行政としての公的責任からもその認識に厳しさが欠けるところがあるといえる.また,首長および社会体育担当職員の将来に対するスポーツ施設整備についての関心は,大型の本格的な施設拡充にあり,一般住民や体育指導委員が求める「だれでも,いつでも,どこでも」スポーツができる日常的な施設に対するニーズと食い違っているといわなければならない.さらに,公共スポーツ施設の利用料金に関して,首長および担当職員の中に受益者負担を支持する者が3割を占めることも見逃せない結果であった.今後の地域スポーツ行政において重要なことは,いかに住民のスポーツ要求をくみ取っていくかということてあり,そのためには,先ずスポーツ行政当局,とりわけ首長の客観的な現状評価と,その共通理解が必要であり,その基盤の上で効果的なスポーツ政策が施されなければならないといえよう.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713079696256
  • NII論文ID
    110004499391
  • DOI
    10.24609/nbukiyout.18.0_115
  • ISSN
    24336548
    09146474
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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