1970年代における日本の医の倫理論の再考

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タイトル別名
  • Rethinking Japanese Medical Ethics in 1970s.

抄録

1970年代の日本の医の倫理論を振り返ると、澤瀉久敬は公害問題への対応を説くなど、医師―患者関係に還元されない視点を有していた。武見太郎は福祉国家の到来により、人間のより良き生存が問われることになると述べた。また砂原茂一は医学研究を社会の視点からチェックすることを主張していた。中川米造は、科学であると同時にそれに還元されない医学の特徴を踏まえる必要性を説いた。さらにヴァン・R・ポッターの著作『バイオエシックス』に触れ、人類の生存に関する議論も医の倫理論の中で行っている。以上を踏まえると、1970年代の日本の医の倫理論では1980年代以降の生命倫理が行っていた議論がすでに確認できること、また人間のより良き生存という環境倫理に関するような議論も行われていた点が特徴であると解される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713080240640
  • NII論文ID
    130007668755
  • DOI
    10.11480/kyoyobukiyo.2019.49_25
  • ISSN
    2433359X
    03863492
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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