雌雄のICR及びC57BL/6Jマウスにおける4週間複数飼育が一般毒性評価パラメータへ及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of social housing for 4 weeks in male and female ICR and C57BL/6J mice on parameters in general toxicity studies
説明
<p>【目的】欧米では動物福祉の観点から非臨床試験を複数飼育下で実施することが標準である.本邦でも複数飼育の導入が進んでいるが,マウスでは雄の闘争行動が複数飼育導入への障壁となっている.我々はおもちゃ及び巣材供与で飼育環境を改善し,マウスの一般毒性試験における複数飼育を可能とした.今回,一般毒性試験で標準的に評価されるパラメータを取得し,複数飼育による影響について考察した.</p><p>【方法】6週齢の雌雄ICRマウスを用いて,単飼育群(SH群,1匹/ケージ,6匹)及び複数飼育群(GH群,3匹/ケージ,6ケージ,18匹)の2群構成とした.4週間の飼育期間に一般状態観察,体重測定,摂餌量測定,血液学的検査,血液生化学的検査,剖検,器官重量測定を実施した.雌雄C57BL/6Jマウスについても同様に検討した.</p><p>【結果】ICRマウスでは,GH群の雄の体重がSH群より高値を示し,副腎重量は雌雄ともにGH群がSH群より低値であった.C57BL/6J マウスでは,GH群の体重は雌雄とも高値を認めたが,副腎重量は両群間に差はなかった.一般状態,摂餌量,血液学的検査,血液生化学的検査及び剖検では,SH群とGH群間に差はなかった.</p><p>【考察】GH群ではSH群に比べて,両系統マウスの雄で体重の高値及びICRマウスの雌雄で副腎重量の低値がみられた.副腎重量変化は,複数飼育によってストレスが軽減し副腎肥大が抑制されたものと考えられた.その系統差は,闘争しやすいICRマウスが他系統よりもストレスを受けやすいと考えられていることから,複数飼育の効果がより顕著に認められたものと推測する.以上のように,本条件下の複数飼育は,マウスにおける毒性試験評価に悪影響を及ぼさず,動物福祉向上に寄与することが示された.</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-108-, 2019
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713082489856
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- NII論文ID
- 130007677254
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可