血液分析装置用動物対応ソフトウェア XN-Vを用いたラット・マウスにおける骨髄検査性能評価

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タイトル別名
  • Bone marrow analysis evaluation of XN-V Software of Automated Hematology Analyzer for Animal in mice and rats

抄録

<p>【目的・背景】近年、新規医薬品や各種化学物質の生体影響評価において、骨髄検査は造血器や免疫系への影響を評価する上でも重要性を増してきている。しかし、骨髄検査は実施難易度が末梢血白血球の目視分類と比較して高く、実施工数も多くかかることから積極的に行われている状況ではない。そこで、骨髄検査の自動化の可能性を血液分析装置用動物対応ソフトウェアXN-V(シスメックス(株)製)を用いて検討したところ、一定の測定性能を有することが示されたことから、本検討では薬剤投与における試験系での性能評価を行った。</p><p>【方法】実験①:SDラット(6週齢)に25mg/kgBWの5-フルオロウラシル(5-FU)を単回尾静脈投与し4日目と15日目の変動をXN-V、FCMおよびサイトスピン標本による目視測定を用いて、対照群およびエリスロポイエチン(EPO)投与群に対して評価した。FCM測定では赤芽球系細胞マーカーとしてCD71 、骨髄球系細胞のマーカーとしてCD11b、Tリンパ球マーカーとしてCD3、B細胞マーカーとしてCD45RAを用いた。実験②:ICRマウス(7週齢)に100mg/kgBWの5-FUを単回尾静脈投与し3日、5日、7日の変動をXN-V、サイトスピン標本による目視測定を用いて対照群に対して評価した。</p><p>【結果】実験①:投与4日目には顆粒球の減少がおこり、15日目では正常と同程度まで回復する一連の変化が観察でき、4日投与群のEPO投与の差も赤芽球数比率の差として3測定法ともに確認できた。実験②:投与3日目で赤芽球の消失が観察され、5~7日にかけての骨髄球の減少が2測定方法ともに観察された。また投与5日目に目視測定にて好塩基性赤芽球が多く認められたことから、スキャッタグラム上の細胞クラスタ位置を照合させ細分画することで、骨髄細胞の分化程度も測定できる可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713082491392
  • NII論文ID
    130007677350
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-166
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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