JADERを用いた医薬品の重症皮膚副作用の<i>in silico</i>予測

DOI
  • 大矢 和幸
    名古屋市立大学大学院薬学研究科 医薬品安全性評価学
  • 安部 賀央里
    名古屋市立大学大学院薬学研究科 医薬品安全性評価学
  • 頭金 正博
    名古屋市立大学大学院薬学研究科 医薬品安全性評価学

書誌事項

タイトル別名
  • <i>In silico</i> prediction of severe cutaneous adverse drug reactions based on Japanese Adverse Drug Event Report database

抄録

<p> 特異体質性副作用は発症頻度が低く、発症機序が不明であることが多い。そのため、医薬品開発の段階において副作用との関連性を予測することは困難である。一方で、市販後の副作用データベースを用いることで、医薬品と様々な副作用の関連性を把握することが可能になる。そこで我々は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)などの重症皮膚副作用に注目して大規模な副作用自発報告データベースを利用し、医薬品の構造情報から機械学習法の一つであるDeep Learning(DL)によるin silico副作用予測モデルを構築することを目的とした。</p><p> 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が運用している医薬品副作用データベース(JADER)の2004年第一四半期から2017年第二四半期までに登録された有害事象報告データを用いた。対象副作用としては、MedDRA ver20.1の標準検索式(SMQ)における重症皮膚副作用(SCAR)のうち、狭義検索用語に含まれるものを対象とした。血中へ移行する可能性が低い投与経路の医薬品は除外し、シグナル検出法と報告件数を用いてSCAR陽性・SCAR陰性を定義し該当する医薬品を抽出した。SCAR陽性医薬品の抽出時には併用薬の影響を考慮した。抽出された医薬品の構造情報については、Dragon 7を用いて分子記述子計算を行った。得られた記述子を変数とし、DLを用いてSCARの有無を判別する副作用予測モデルを構築した。予測モデルの評価は予測精度等の指標を用いた。</p><p> 構造情報のみを変数とした予測モデルでは、70%以上の予測精度が得られた。今回の研究ではJADERを活用し、機械学習法によるSCAR予測モデルを構築することができ、副作用データベースの新たな活用方法を示すことができた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713082517248
  • NII論文ID
    130007677450
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-75s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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