テールゲートリフター使用に起因する労働災害の特徴

  • 大西 明宏
    労働安全衛生総合研究所 リスク管理研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Features of Occupational Accidents Caused by Use of Tailgate Lifters (Tail Lifts)
  • テールゲートリフター シヨウ ニ キイン スル ロウドウ サイガイ ノ トクチョウ

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抄録

<p>テールゲートリフター(TGL)はトラックの荷台後端に袈装される荷役省力装置であるが,毎年のようにTGL使用による死亡災害が報告されている.本研究ではTGL使用に起因する災害の特徴を検討するため,2011年および2012年の無作為に抽出された休業4日以上の労働災害データを対象に分析した.その結果,両年のTGL起因災害の年間件数は558~632件(0.49~0.53%)と推計された.そして約8割は運輸交通業および貨物運送業で発生していた.被災状況としては,作業者の転倒・転落と飛び降りおよび荷の転倒・転落は共に4割以上,プラットホームへの手足挟まれが約2割であった.プラットホームの位置(状態)ごとでは,荷台高さが3割以上で最も多かった.発生原因はプラットホームの位置(状態)ごとに異なる傾向であったが,路面やプラットホームの傾き,作業者や荷のはみ出しに関連するものが多かった.このようなことから,作業者や荷の転落防止には安全柵が必要になると示唆された.作業者搭乗による昇降に関しては,トラックドライバー等に適切な方法を教えるだけでなく,移動用ステップの提供が不可欠である.</p>

収録刊行物

  • 人間工学

    人間工学 54 (3), 115-123, 2018-06-15

    一般社団法人 日本人間工学会

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