市販の七味唐辛子およびカレー粉におけるノシメマダラメイガの生育実験

書誌事項

タイトル別名
  • Rearing of the Indian meal moth, <i>Plodia interpunctella</i> (H.), in two kinds of marketed spices, cayenne-pepper powder and curry powder

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説明

<p>七味唐辛子とカレー粉の2種香辛料におけるノシメマダラメイガの生育を調べた.</p><p>新規購入品を1ヶ月および2ヶ月開放経過し,家庭で使用中の香辛料に近い状態にして卵を投入した場合,七味唐辛子においては成虫の発生が確認され,6ヶ月開放経過した香辛料に5齢(終齢)幼虫を投入した場合には,糠とほぼ同数の成虫が発生した.</p><p>しかし,新規購入品の開封直後に卵を投入した場合,七味唐辛子には幼虫も成虫も発生せず,5齢(終齢)幼虫を投入した場合でも,約2ヶ月後の生存個体数は30匹の投入幼虫に対し1匹のみで,この1匹も2ヶ月開発育が阻止された.</p><p>これらのことから,七味唐辛子の新規購入品の開封直後にはある種の殺虫成分が合まれているが,開放経過後ではその量が減少あるいは消失したものと思われる.従って,製造及び流通過程でのノシメマダラメイガの侵入や発生を防ぐためには,インナーシールによって香辛料を完全密閉する事が重要と思われる.</p><p>カレー粉では新規購入品の開封直後に卵を投入した場合,幼虫も成虫も発生せず,5齢(終齢)幼虫を投入した場合でも,約2ヶ月後に生存していた個体はなかった.新規購入品を1ヶ月および2ヶ月開放経過し,卵を投入した場合でも,幼虫も成虫も発生しなかったが,6ヶ月開放経過した香辛料に 5齢(終齢)幼虫を投入した場合には,成虫が1匹発生した.</p><p>このことから,カレー粉にも新規購入品の開封直後から少なくとも2ヶ月間は,孵化幼虫に対する殺虫効果があり,6ヶ月開放経過したものでもノシメマダラメイガの 5齢(終齢)幼虫の生存を阻止する成分が含まれていると思われる.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713083145984
  • NII論文ID
    110007332402
  • NII書誌ID
    AA11822801
  • DOI
    10.24486/pestologygakkaishi.12.1_31
  • ISSN
    24321532
    09167382
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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