骨格筋病変の全身分布の把握における超高磁場磁気共鳴イメージングの有用性

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タイトル別名
  • Usefulness of MRI in confirming systemic distribution of skeletal muscle lesions

抄録

<p>【目的】骨格筋における障害を検出する一般的な方法としては,血中バイオマーカー(CK,LDH,ALDなど)や病理検査が用いられる。これらの検査は骨格筋毒性のリスク検出には有用であるものの,全身の病変の局在を知ることはできない。超高磁場磁気共鳴イメージング(MRI)を用いた全身イメージングは,非侵襲的に軟部組織/臓器の断面観察が可能であり,全身性に起こりうる病変の分布の確認や,継時的な観察が可能であることから,従来の検査を補完する評価系として期待される。そこで本研究では、薬剤によって誘発される骨格筋病変のMRIによる検出可否を検証した。</p><p></p><p>【方法】雌性ICRマウス(各群2例)に媒体(0.5%メチルセルロース水溶液)あるいは化合物Aを単回経口投与し,翌日あるいは翌々日に各群1例ずつ麻酔下にてT2強調条件での11.7テスラ MR画像を取得した。撮像は頸~胸部,腰~大腿部,下腿部の3部位に分けて,それぞれ軸位断,冠状断,矢状断の3断面で実施した。撮像終了後,動物は直ちに剖検し,病理組織学検査に供した。</p><p></p><p>【結果】MR画像から,化合物A投与群の2例で大腿骨,座骨,上腕骨近傍の筋肉および下腿部(ヒラメ筋)にそれぞれ高信号領域が認められた。病理組織学的検査では,高信号領域に一致して骨格筋の変性/壊死が認められた。</p><p></p><p>【結論】MRIにおける高信号領域と病理組織学的検査による変性/壊死領域の一致性は高く,MRIが病変部位の検出および全身での病変分布の把握に有用であると考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713083285888
  • NII論文ID
    130007677321
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-221
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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