TULの治療成績と結石長径の検討

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  • Stone-free rate and stone size of holmium-YAG laser ureteroscopic lithotripsy.
  • TUL ノ チリョウ セイセキ ト ケッセキ チョウケイ ノ ケントウ

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抄録

<p> 【目的】Holmium-YAGレーザーを用いたTULの治療成績を結石長径で比較し, TULの適応を検討した.</p><p> 【方法】2008年4月から2017年10月までに山口県立総合医療センターと済生会下関総合病院で尿路結石918例に, 計1037回のTULを施行した. これらの治療成績を結石長径で比較した.</p><p> 【結果】年齢の中央値は62歳, 結石長径の中央値は1.1cmで, f-TULを689例, r-TULを229例に施行した. 手術時間の中央値は60分で, 結石長径が大きくなると手術時間も長くなった (p<0.0001). 手術回数の中央値は1回で, 結石長径が大きくなると手術回数が増加した (p<0.0001). 入院期間の中央値は3日で, 結石長径と関連なかった (p=0.662). 完全排石率は97.7%で, 結石長径が大きくなると完全排石率が低下した (p<0.0001). 特に結石長径が3.0cm以上群では完全排石率が85.5%となり, 3.0cm未満群より10%以上低下していた.</p><p> 合併症は, 腎盂腎炎が7.6%, 敗血症が1.2%, 軽度の尿路損傷が3.7%, 開腹手術へ移行した重度の尿路損傷が0.2%, 尿管狭窄症が0.2%であった. 特に腎盂腎炎は2.0cm未満群で6.5%, 2.0cm以上群で13.8%となり, 統計学的に有意差を認めた (p=0.0010). また, 多変量解析で腎盂腎炎リスク因子は女性 (p<0.0001), 腎盂腎炎の既往 (p<0.0001), 糖尿病の既往 (p=0.0017), 結石長径2.0cm以上 (p=0.0054) であった.</p><p> 【結論】 TULは結石長径が2.0cm未満の症例で良い適応であり, 結石長径が3.0cm未満の症例では術後の腎盂腎炎に注意すれば有効な選択肢と考えられた.</p>

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