10mmの腎結石に対するストラテジー

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  • Strategy for management of 10mm renal calculi
  • 10mm ノ ジンケッセキ ニ タイスル ストラテジー

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抄録

<p> 10mmの腎結石の中で, 症候性の結石や増大している結石, 尿路閉塞を来している結石, 感染に関連している結石では積極的治療介入の適応となり, その他に併存疾患や患者の希望, 職業など社会的事情を考慮して治療を検討する. 本邦における尿路結石症診療ガイドライン2013年版では, 10mm以上から20mm未満の腎結石に対する積極的治療のオプションとして, 腎盂・上腎杯・中腎杯ではESWL・PNL・f-TUL, 下腎杯ではPNLないしf-TULが推奨されている. ただし, 腎杯の形状によっては下腎杯結石でもESWLも適用可能としている. 当院における20mm未満の腎結石に対するESWLとTUL症例での検討では, 結石大きさ76mm2以上, 結石CT値1000HU以上の場合にはTULの方が有用である可能性が示唆された. </p><p> 無症候性腎結石に対する予防的介入の有用性についてはまだ明らかになっていないので, 積極的治療介入の適応とならない10mmの無症候性腎結石に対しては経過観察も可能である. 少なくとも6ヵ月後の観察と, 安定していれば1年毎の観察を行う. 経過観察する上では症状の確認と結石の有無や位置, 大きさ測定の他, silent obstructionの可能性も考慮し尿路閉塞の有無について時折確認し, 積極的治療介入の適応の有無を確認する. </p><p> 10mmの無症候性腎結石に対する管理についてはまだcontroversialであり, 医療者側は患者にとって最善の利益にかなう決断ができるようなインフォームドコンセントを行い, 個々の患者に応じた医療を提供するべきである.</p>

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