シンジオタクチックポリスチレンの混合溶媒中でのゲル化とゲルの性質

  • 和田 理征
    神奈川工科大学応用バイオ科学科
  • 吉田 亮一
    神奈川工科大学大学院応用化学・バイオサイエンス専攻
  • 鈴木 一政
    神奈川工科大学応用バイオ科学科
  • 清水 秀信
    神奈川工科大学応用バイオ科学科 神奈川工科大学大学院応用化学・バイオサイエンス専攻
  • 岡部 勝
    神奈川工科大学応用バイオ科学科 神奈川工科大学大学院応用化学・バイオサイエンス専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of Syndiotactic Polystyrene Physical Gels Formed in Toluene/Chloroform Mixed Solvents
  • シンジオタクチックポリスチレン ノ コンゴウ ヨウバイ チュウ デ ノ ゲルカ ト ゲル ノ セイシツ

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抄録

<p>シンジオタクチックポリスチレン(sPS)は,トルエンやクロロホルム混合溶媒中で熱可逆性ゲルを形成する.トルエンはsPSに対して貧溶媒的に振舞い,クロロホルムは良溶媒的に振舞うことが知られている.本研究では,トルエンとクロロホルムの割合を変化させ,sPSゲルのキャラクタリゼーションを調べることを目的とした.また,sPSゲルの架橋点の大きさを検討するため,Tanaka-Stockmayerの理論式より架橋長ζ (架橋点に寄与するモノマーの数)と多重度ρ (架橋点に入り込むsPS鎖の数)を算出し,さらに,ゲル化過程を時分割FT-IRにより追跡した.その結果,トルエン–クロロホルム混合溶媒組成(Xchloro)を変化させると,クロロホルム含有量が増加するにつれ,sPSの最低ゲル化濃度C*は高くなった.また,ゲルの架橋点サイズS (ζ×ρ)は,トルエン系では320~420,クロロホルム系では150~200であり,Xchloroが増加するにつれて減少した.このことから,sPSに対して貧溶媒的に振舞う溶媒では,架橋点サイズSは大きくなると考えられる.さらに,時分割FT-IRスペクトルから,sPSゲルはいずれの混合溶媒組成においても,T2G2のコンホメーションを形成し,さらに,そのモルホロジーは繊維状構造であることが明らかとなった.また,繊維状構造の隙間に溶媒を取り込んでいると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 76 (4), 267-275, 2019-07-25

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (30)*注記

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