低カリウム血症を契機に診断に至った,糖尿病腎症にLiddle症候群類似病態をきたした1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Liddle's-like Syndrome With Diabetic Nephropathy Diagnosed from Hypokalemia
説明
<p>症例は糖尿病,ネフローゼ症候群,低カリウム血症,高血圧症治療目的で入院した38歳の男性である.X-11年に2型糖尿病と診断され,X-4年には,高血圧は認めず,血清カリウム濃度は正常範囲内であった.X-1年11月,近医にてネフローゼ症候群,低カリウム血症,高血圧症を指摘され,X年5月当科入院となった.入院時,代謝性アルカローシス,血漿レニン活性低値,血漿アルドステロン低値を伴う高血圧を認めた.Liddle症候群を疑い,トリアムテレン内服を開始したところ,高血圧と低カリウム血症は改善した.本症例では高血圧の家族歴はなく,検索した範囲ではアミロライド感受性上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)遺伝子の変異は認めなかったが,尿中セリンプロテアーゼの排泄亢進を認め,セリンプロテアーゼを介したENaC作用亢進の関連が示唆された.本例は,糖尿病腎症にLiddle症候群類似の病態を合併したものと考えられた.</p>
収録刊行物
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- 糖尿病
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糖尿病 62 (7), 383-388, 2019-07-30
一般社団法人 日本糖尿病学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713084756736
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- NII論文ID
- 130007684567
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- ISSN
- 1881588X
- 0021437X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可