副甲状腺切除後に異所性肺石灰化を認めた多発性骨髄腫

書誌事項

タイトル別名
  • Ectopic pulmonary calcification after parathyroidectomy in multiple myeloma
  • 症例報告 副甲状腺切除後に異所性肺石灰化を認めた多発性骨髄腫
  • ショウレイ ホウコク フクコウジョウセン セツジョ ゴ ニ イショセイ ハイ セッカイカ オ ミトメタ タハツセイ コツズイシュ

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抄録

<p>異所性石灰化症は悪性腫瘍,慢性腎不全や副甲状腺能低下症などを原疾患として,カルシウムが組織へ沈着し,組織障害や臓器障害を来す疾患である。多発性骨髄腫に副甲状腺機能低下症を合併した症例で感染症を契機に異所性肺石灰化を発症した。クエン酸第二鉄水和物や沈降炭酸カルシウムを用いたリン濃度の補正で急速に異所性肺石灰化が改善した。本例では,多発性骨髄腫に伴う骨吸収促進によって高カルシウム血症に誘導されやすい状態にあったところに感染症を合併し,脱水による腎不全もあって一過性の高カルシウム血症を来した。さらに,副甲状腺機能低下症による高リン血症という背景や,薬剤性器質化肺炎による肺局所の炎症が重なり急速な異所性肺石灰化を来した可能性が考えられた。多発性骨髄腫に副甲状腺機能低下症を合併した場合,異所性石灰化症発症の可能性があること,また,リン濃度の低値誘導が治療に有効である可能性が示唆されたので報告する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (7), 785-790, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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