カナダの家庭科における多文化共生教育の学習指導 -中等教育の事例-

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タイトル別名
  • Instructional Activities of Multicultural Education in Canadian Home Economics : A Case of Secondary School Education

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抄録

本研究の目的は,カナダの家庭科における多文化共生教育に関する学習指導について明らかにするこ とである。また,その結果を踏まえ,日本の中学校技術・家庭科家庭分野において多文化共生教育を実 践するための配慮点を把握することも目的とした。調査対象は,カナダ,ブリテッシュ・コロンビア州 の中等教育学校で家庭科を担当する教員6名である。授業観察と半構造化インタビュー調査を実施した。 その結果,家庭科において多文化共生教育を実践する上で,以下のような配慮点が示唆された。 家庭科(主に食生活の内容)の授業における配慮点: 1.基本的食物としては,地域の食材や,個々の生徒が大切にしている家庭料理を取り上げる。 2.世界に存在する共通の食べ物を教材とし,それらの類似点や相違点,相違点を生む要因を考察する。 3.生徒が多様な文化に関する自分の知識や経験を話せる時間を設ける。 4.文化の多様性を理解し合う機会をつくる。 5.将来的にも多様性に対する開かれた目を持つことを目標とする。 他の国から来て間もない生徒に対する配慮点: 1.異なる文化背景をもつ生徒がなじみやすく,在校する生徒も受け入れやすい授業環境づくりをする。 2.転校してきた生徒には,世話係となる生徒をつける。 3.翻訳教材や視覚教材を準備する。 4.多様な学習活動や評価方法を取り入れ,新しく来た生徒が授業に積極的に関われる機会をつくる。 5.語学援助教員と協働する。

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